コラム〜Column


2008年6月19日〜 ヨーロッパ鉄紀行 オーストリア

ドイツから早一週間、ドイツ語はダンケとビッテだけ・・後は拙い英語だけでも何とかなるもので、よく出来た列車のタイムテーブルと親切な人たちのおかげで順調に旅が進んで行きます。
フュッセンにはシンデレラ城のモチーフになったとも言われるノイシュヴァンシュタイン城と言う城があるのですが、今日中に目的地にたどり着けるか不安だったので、見学は断念しました。
まずは国境をバスで越え、オーストリア、チロル州のロイッテに到着です。
地図を見ると分かるのですが、ドイツではミュンヘンからオーストリアを目指すのが基本的なルート、しかしこの時、ユーロ2008というサッカーの大イベントががあった為、開催地でもあるザルツブルグの宿は満室&高騰で迂回ルートを取る事になったのです。
朝の10時ごろロイッテの駅でタイムテーブルを出してもらうと、なんと!目的地イプジッツに着くのは終電でした。ブログへつづく
ロイッテにて 
鉄道のロゴがQBBに見えてしょうがないのは私だけでしょうか(^_^.)
自由席でもゆったりした席で快適な旅が出来ました
イプジッツまでは4つか5つの駅で乗り換え、最後は誰も居ないローカル線のホームへ、2両編成の列車に乗り込んでイプジッツ駅に着いたのは夕方の7時を回った頃でした。
イプジッツの駅に着き、ホームへ降り立つと女の子が一人迎えに来てくれていました。
出発前に何度かメールのやり取りをした、クリスティーナ・ハーバーマンさんでした。彼女は忙しい準備の合間をぬって宿の手配までしてくれていました。
案内してくれたアパートについてほっと一息、明日からいよいよ大会の始まりです。

つづく
最後の乗り換え駅、ヴァイドホーフェン
アパートから見たイプジッツの街・・のどかです 体長10センチの巨大なめくじがお出迎え(^_^;)


2008年6月13日〜 ヨーロッパ鉄紀行 ドイツ

2008年6月13日からドイツ、オーストリア、チェコを旅して来ました。
今回の旅の目的は2年前に来日した、「鍛冶屋の法王」アルフレッドハーバーマン氏が工房を構えるオーストリア、イプジッツ村で開催される鍛冶屋の大会に参加することでした。
しかしながら、旅を計画していた4月下旬頃、ハーバーマン氏の訃報を聞き、再開を果たせない事を知らされたのでした・・。
訃報から2週間余り、一時は中止する事も考えましたが、いつでも行ける旅では無いので、思い切って行く事に決定したのでした。

前日の昼前に成田を出発、オランダ、スキポール空港を経由してドイツ、フランクフルト国際空港に到着したのは現地の夜10時を回った頃でした。
地図を片手に空港からバスと地下鉄を乗り継いでフランクフルト中央駅へ、予約していたホテルへチェックイン。
疲れてはいるものの、時差ボケもあって眠くはならず、ドイツ語のテレビを見ながら初日の夜は更けて行くのでした。。


乗り継ぎの合間スキポール空港にて
深夜のフランクフルト中央駅前
二日目は鉄道でデュッセルドルフまで移動します。
ドイツに来たついでと言っては何ですが、3年前に一緒に仕事をしたMatthias Moller君と会う約束をしていたのです。
前もって時間は決めていたものの、駅についても右も左も分からず、携帯に来たメールを頼りにうろうろすること一時間近く、
人ごみの中からニコニコしながら近づいて来るMatthias君無事に会うことが出来ました。
一緒に来た恋人のナタリーさんは彼が以前日本に来たようなユニホームを着て修行の旅をする。遍歴職人をしているそうです。
この日、デュッセルドルフは、JAPAN−DAYというイベントが開催されていました。ここはヨーロッパの中でも日本の企業が多い都市だそうで、着いて早々、焼き鳥(実際は照り焼き風味の煮鳥でしたが・・)やヨーヨー釣りなど、ちょっとした日本気分を味わいました。
その晩は彼の好意で彼の家に泊めてもらう事になり、彼の住んでいる街、パーダーボルンまでへ車で行くことになりました。
(160キロで高速を巡航する旅は中々のスリルでした・・)
翌朝、彼の街や工房を案内して貰いました。水の生まれる街の名の通り、散策をした教会の泉からは水が湧き出ています。
午後から電車の移動があるため、のんびりする事が出来ませんでしたが、いつかまた訪れたい街でした。

その後、ドイツではローデンブルグ、ミュンヘン等を1週間かけて周り、国境の町、フュッセンからオーストリアを目指すことになりました。

つづく
お土産のTシャツ着て・・
朝食の風景
工房にて・・仲間数人と一緒にやっているそうです
パーダーボルンの教会

2008年3月26日 アンビル輸入
蕨市に鍛冶工房fuigoを構える平田さんの誘いでアンビルをドイツから輸入しました。
アンビルと言うのは鉄を叩く為の台の事ですが、日本では製造しているメーカーも少なく、材質も鍛造をするにはイマイチです。
工房にはローテック所有のドイツ製アンビルもあるのですが、道具を輸入する機会など滅多に無いので今回購入に踏み切りました。

注文生産と船便での輸送の為、注文から約3ヶ月、東京大井埠頭まで平田さんや仲間とともに引き取りに行って来ました。
倉庫近くの税関で輸入申請の書類記入と税金の支払い等を済ませ、いざ倉庫へと思ったら、沢山のコンテナを待っているトラックがあるため一時間以上も待つ事に・・。
この後仕事がある私達は平田さんらに引き取りをお任せして大井を後にしました。



倉庫からトラックに積み込まれるアンビル
フォークリフトのオペレーターも見た事が無い物に「何すかこれ?」と聞いていたそうです。
全部で1600キロもある為、積んだ途端に荷台が沈みます。

みんなで試し打ち〜♪

夕方、平田さんの工房で再び合流し、いざ開梱です
試し打ちをしてみると、キーンと甲高い音、思わず歓声が上がります。
一口にアンビルといっても使われる地域によっていろいろな形があります。
私が購入したのは南ドイツタイプで左右の角と脇に張り出したテーブル、脚の間に棒などを据え込む台があるのがが特徴です。


錆止めの塗装を剥がすとツルツルピカピカのアンビルが出てきました。
形状や大きさは違いますが、これだけ並ぶと壮観です!
それぞれの主のところでこれから何十年も使われるのでしょうね。

アンビルメーカーホームページ
http://www.ernst-refflinghaus.de/


2006年5月3日 アルフレッド・ハーバーマンを囲んで・・
オーストリア イブジッツからアルフレッド・ハーバーマンさんが来日しました

4月15日に娘さん、お弟子さんと来日された一行は滋賀県高島市に工房を構える青山裕次さん宅に滞在し、京都造形大学での講義や日本とヨーロッパとの架け橋をテーマにした、オブジェの制作等をされました。
アルフレッド・ハーバーマン氏と言えば、鍛冶屋の世界では最も有名なマイスターの一人です。(青山さん曰く、鍛冶屋界のローマ法王とか・・)ダイナミックで時として繊細な氏の作品はとても魅力的です。
親日家でもある氏は25年前にも来日したとの事で、帰国前に親睦会がある事を聞き、埼玉から鍛冶屋仲間3人と共に参加して来ました。

作品について語られるハーバーマン氏
制作中に顔に怪我をされたとの事・・
親睦会当日はアルフレッド・ハーバーマン氏の76回目の誕生日との事で、偶然にもその日が誕生日だった私も一緒にお祝いをして頂きました。プレゼントを渡した時に握手した手は大きくて分厚かったのですが、意外にも柔らかかったのが印象的でした

せっかくなので〜

のせてみました・・
親睦会の後は青山さんの工房に場所を移し、実演の始まりです。
材料の叩き方に始まり、一度の火入れで、一つの工程を終わらせる事(One heat one process)やオリジナルの道具(Habermann tong)の説明まで、短いながらも貴重な時間でした。

技法についての説明・・皆さん真剣です

弟子のクリストフさんの
向鎚とは阿吽の呼吸です

火箸の形状や材質も普通の箸とは異なります

日本海の夕日と共に帰路に着きました
深夜まで、続いた親睦会も皆さんそれぞれに帰路につき、普段よりテンションが高かったという
ハーバーマン氏とも名残惜しみつつ、お別れをしました。
一行の滞在中、お世話をした青山さん、藤田ご夫妻、本当にお疲れ様でした!
今度はイブジッツで会いましょう!(おわり)


2005年6月2日  ドイツからの旅人
ドイツからマイスター修行中のMatthias Mollerさんが来ました
四月のとある日、「倉島さんのところで仕事ありますか?」というRテックS君からの電話。
ドイツから鍛冶屋の修行をしている人が尋ねて来ているので何か仕事をさせてほしいとの事・・。
いきなりの事で戸惑っていると、「じゃあ後で連れて行きます!」と言われて一時間程たった頃、やって来たのが彼(Matthias Mollerさん)でした。

代々木公園でのイベントにて

ダイナミックなハンマリング・・
第一印象は髭面に年期のはいった普段あまり目にしないその服装から多少面食らいました。(失礼!)年を聞くとまだ24歳、よくよく見ると目元には少年の雰囲気が感じられます。(笑)
ヨーロッパではマイスター(親方)になる為に下働きから何年かの修行が必要な事は知っていましたが、なぜ日本に??
不慣れな英語で聞いてみると、仕事をして旅費を稼ぐ事も必要だけど、それぞれの国の文化も学びたいと言う事、それならと言う事で、週明けの月曜日から二週間という条件で仕事をしてもらう事になりました。

Matthiasの仕事ぶりはというと非常に真面目で、制作図面を見ながら、身振り手振りを交えた説明を理解すると、そのパワーもさる事ながら、正確にそして手際良く作業を進めて行きます。さすがドイツ人!等と訳のわからない感動をして一日があっという間に過ぎて行きました。
何日かを一緒に過ごすうち、彼が着ているユニホーム(滞在中はずっとこの服です)やネクタイの色、杖の形が職業によって違う事や修行中は自宅の半径50km以内に入ってはいけない事、今までの仕事の事等も教えてくれました。ヨーロッパでのいわゆる遍歴職人の歴史は14世紀頃から盛んになった様ですが、今も尚、受け継がれているその文化を身近に感じられたのは、貴重な経験でした。

作業の合間の一日、秩父にて

ソフトクリームをペロリ(^.^)

制作した門扉と共に・・
翌週、Matthiasの手帳に日本で働いた事を証明する為のサインをして、短かった2週間を終える事が出来ました。
ドイツに帰っても一年程修行の期間が残っているそうですが、いつの日か彼がマイスターになる姿を思い描きつつ、後ろ姿を見送りました・・。(おわり)


2003年7月12日 多摩美術大学オープンキャンパス〜鍛鉄デモンストレーション
多摩美術大学八王子キャンパス オープンキャンパスにて、鍛鉄のデモンストレーションが行われました。

新宿駅から電車で約40分、そこからバスに乗り換え、10分程走ると多摩丘陵の丘の上にキャンパスが見えてきました。
丁度、同じバスに乗り合わせたローテック川合さんとともにデモが行われる金属工芸棟まで向かうと、既に学生の方達が準備万端!コークス炉にも火が入っています。


キャンパス内にある金属工芸棟


工芸棟内

デモの前に・・ハイちーず!


余裕の笑顔・・

今回のデモンストレーションは金属カリキュラムの一環として、実社会で活躍される鍛冶屋さんと多摩美大で金属工芸を学ぶ学生やOBの方達との交流を目的に企画されたとの事。
金属研究室の小林先生の挨拶、各工房の方達の紹介に始まり、制作時間30分(実際は時間制限なし!?)でいよいよ作業に取り掛かります。

午前10時を過ぎ、テーマであるベンチの背もたれの制作が始まりました。
見学の方達が遠巻きにする中、工芸棟の中に槌音が響き渡ります・・。

10台程用意された、アンビルや2台あるエアーハンマーもフル稼働!それぞれが想い想いの形を創り上げていきます。

昨年『鍛冶屋の集い』を主催された
阿部さんは愛知県から参加


仲良く鍛接(^^ゞ

多摩美の小林先生も制作に参加です!



出来上がったパーツで背もたれを組み上げて行きます

私はと言えば、持参したニッケルと鉄を何層にも折り重ねて独特の模様を作るダマスカスに挑戦!
普段仕事で制作する事が無い為、不安を抱きつつも、エアハンマーのお陰で何とか形に成りました。(^^ゞ
午後3時を回った頃、制作も佳境に入り、出来上がった鍛鉄のパーツ同士を溶接し、ベンチの背もたれを組み上げて行きます。

最後にローテック川合さんらが制作したすずらんの風鈴を取り付け、ベンチが完成しました。



完成!後日キャンパス内に設置されるそうです。

全員での記念撮影の後、交歓会では学生さんからの質問や各工房を主催する方との交流もあり、あっと言う間に時間が経ってしまいました。
初夏の長くて短い一日、またいつかやりましょう!と挨拶を交わし、夕立の雨音と共に解散となりました・・。
                                                       (おわり)
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